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アウトドアの聖地・燕市で、プロダクトデザインに挑む

-地域の町工場と協力して製品開発を推進- スワロー工業株式会社
皆川 純一
2022年12月取材

今回は、アウトドアの聖地・燕市でプロダクトデザインに挑むスワロー工業の皆川純一さんにお話をお伺いしてきました!


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とっぴー

新潟県への初訪問は就職活動だったそうですね。

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皆川さん

兵庫県生まれで大学も関西だったので、新潟県には縁がありませんでした。プロダクトデザインを仕事にすると決めて就活を始め、就職情報のナビサイトで当社の存在を知りました。スワロー工業のオンライン説明会で、アウトドアブランドを立ち上げたばかりで、初期メンバーを募集していると知り、迷うことなく志望。アウトドアは好きで、販売のアルバイトをしていたくらいなので、ギアのデザインができるならこれ以上の場所はないと思ったからです。


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とっぴー

新潟へ移住することへの不安はありましたか。

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皆川さん

燕市がモノづくりのまちで、最近ではアウトドア・ギア生産の聖地だということも知っていたので、本場で働けるという気持ちが強く、新潟で暮らすことへの不安やためらいは全くありませんでした。地域の町工場の人たちが話し合い、協力しながらモノを作っていくというスタイルにも惹かれていました。それに、関西と新潟は近いですよ。


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とっぴー

新潟の印象はどうでしたか。

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皆川さん

3月末だったので雪はなく、新幹線から見えるのは田んぼが広々と開けている風景で「自然の中に来た」と思いました。これは予想通りでしたが、会社に行って一つ、予想と違ったことがありました。燕市の製造業は中小企業だというイメージを持っていたのですが、当社の工場の規模は予想よりはるかに大きく、プレス機一つとっても巨大で驚きました。昭和20年創業のメーカーの力は凄いと圧倒されました。


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とっぴー

会社の印象はどうでしたか。


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皆川さん

社員のみなさんは話しやすくて社内も風通しがよく、会社の雰囲気も思っていた通りでした。当社はオンライン説明会のほか、インスタやツイッターなどのSNSで採用情報をいろいろ発信しているので、仕事や会社の雰囲気がわかりやすく、就活中も距離感は感じませんでした。


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代替テキスト
とっぴー

仕事内容について教えてください。

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皆川さん

2020年夏に立ち上げたアウトドアブランド「LALPHA(ラルファ)」の企画開発を行っています。入社してすぐに手掛けたのは、カップの持ち手の設計です。使いやすさとスタイリッシュなデザインを予算内で両立させなければならないので、ちょっとした長さや角度にもこだわりました。デザインして3Dプリンターで形にして、まずは自分で持ってみて、さらに他の人の意見も聞きながら、デザインを固めていきました。


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とっぴー

大変だった点を教えてください。

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皆川さん

形状と素材を決めたら、製造担当の協力会社に出向いて、フォルムのこだわりポイントや製造で守ってほしい絶対条件を説明します。この商品はロゴデザインも自分でしたのですが、印刷の調整が難しく、多くの人の力を借りることになりました。プロが力を合わせて作っていくというモノづくりを実感することができました。


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とっぴー

今はどんなものをデザインしていますか。

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皆川さん

2024年発売に向けた商品のデザインに取りかかっています。機能を持つものをカタチにするだけなら簡単なのですが、機能性だけでなくデザイン性も高めていくのは難しいです。誰もが手に取って「いいな」と思ってもらえる製品にするにはどうしたらいいか、さらに、予算や生産性という課題をどうクリアするか、自分にはどういうことができるのかを追求していきたいと思っています。


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とっぴー

新製品はどのようなものになりそうですか。

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皆川さん

作っていくのはアウトドア・ギアですが、新製品はアウトドアシーンに限らず、家でも使えるような質感やデザインにしたいと思っています。ちょっと角に丸みを持たせるとか、ブラストをかけてマット感を出すとか、いろいろな方向で考えています。


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代替テキスト
とっぴー

新潟に引っ越してきて、生活は変わりましたか。

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皆川さん

初めての一人暮らしですが、学生生活と特段変わりありません。関西では週5で通っていたイケアと無印のお店が燕にはないので恋しくなるくらいです。それよりも自然を感じながら生活できる喜びのほうが勝ります。

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とっぴー

燕市はいかがですか。

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皆川さん

燕に来てよかったのは、仕事終わりに近くにある弥彦の温泉施設に行けることと、山も川もすぐ近くにあるから、休みの日にソロキャンプに出掛ける場所の選択肢が増えたことです。古い街並みを歩くのも好きなので、行ってみたいところがたくさんあります。

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とっぴー

大学時代にもいろいろなところへ行ったそうですね。

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皆川さん

異なる文化を経験してみたくて、2年間休学してワーキングホリディで資金を稼ぎ、フィリピン、オーストラリア、オーストリアなどを回りました。国によって価値観や暮らし方が違うから、生活で使う品々もそれぞれでした。

生活雑貨では、オーストラリアはオーガニックなもの、ヨーロッパは伝統もあるのでデザイン性が高いものが多い印象でした。一方で、フィリピンはプラスチック製品が多用され、しかも多くは使い捨てです。プロダクトデザインで何とかできないだろうかと思いました。この時に抱いた思いをこれからのモノづくりに生かしていきたいです。


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とっぴー

これからの抱負を教えてください。

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皆川さん

「LALPHA」はLIFE+ALPHA、豊かな生活を送るためのプラスアルファな製品を提供したいという思いが込められた名前です。アウトドアでも毎日の生活でも、プラスアルファな価値を持つものを生み出していくのが私の理想です。モノづくりの技術の集積地である燕で作るのだから、品質もデザインもこだわりぬいたギアを生み出していきたいと思っています。