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お金の専門家に聞いてみた Uターン後のお金の話

-Uターン経験者としてのアドバイスも!- 第四北越銀行 市場運用部 調査役 
小黒広生
2023年3月取材

今回は、お金の専門家である第四北越銀行の小黒さんにUターン後に関するお金のお話や、先輩としてご自身の経験談などをお伺いしてきました!


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とっぴー

小黒さんご自身もUターンされたのですね?

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小黒さん

はい、2022年2月に東京から新潟市にUターンしました。妻も私も新潟市出身で将来、地元に戻るかもしれないと考えてはいましたが、まだ先のことだとも思っていました。早まったのは2020年の長女の誕生がきっかけです。新型コロナの感染拡大が続く東京での子育てが不安になったからです。また、仕事は充実していましたが忙しく、子育ての時間をもっと確保したいという気持ちもあり、家族と話し合って、前職の経験が活かせる地方銀行へ転職しUターンをすることを決めました。


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とっぴー

就活以外で大変だったのはどういうことでしたか?

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小黒さん

住まい探しですね。家を買おうと思っていたので、不動産屋に条件を伝えて20軒ほどピックアップしてもらい、コロナ対策の住宅支援の締め切りに間に合わせるため、このタイミングしかないという週末に新潟へ来て一気に下見。子育てのためにUターンするので、家のチョイスも子育てを重視しました。幼稚園や学校、公園は近いか、安心して暮らせる環境かを踏まえて決めました。


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代替テキスト
とっぴー

地方と首都圏では収入も違いますよね?

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小黒さん

確かに一般的に地方は首都圏に比べ収入が低くなることが多いですが、額面だけで考えないことが重要です。どこに住んだとしても生活に必要な金額は大きくは変わらないので、まずここを把握することから始めてください。イメージや思い込み、希望ではなく、自分の家計の状況や計画をリアルにつかむことが基本です。この必要額が収入を上回るようなら再考すべきでしょう。


代替テキスト
とっぴー

収入面で不安に感じる人も多いと思うのですが。


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小黒さん

地方と首都圏で収入の面では差があるかもしれませんが、必要経費が地方のほうが低くなるものもあります。例えば住居費用もその一つです。私は東京と新潟の両方で家探しをしましたが、同じ予算でも、新潟では東京とは比較にならないほど広くて設備の整った家が買えます。さらに、周囲は建て込んでいないので環境的にも満足度はアップします。 通勤に関しても仮にかかる時間は同じだったとしても、東京の満員電車の20分と新潟の電車やバスの20分では気持ちの負担が変わるなど、金額以上のメリットもあるので、年収額だけで考えないほうがいいと思います。数字の印象と暮らしの実感は違います。


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代替テキスト
とっぴー

他にお金のことで気を付けることはありますか?

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小黒さん

地方では自家用車が必要なことも多いので、その購入や維持費も考えておくべきです。自家用車にはお金はかかりますが、ベビーカーでバスや電車に乗ることに比べるとぐっと便利で、出掛けるハードルが下がります。子どもを育てていく上では車社会は金額以上の恩恵があると思います。
既に働いている方であれば、住民税や保育園の費用などは前年の所得をベースに決まるので、Uターンして収入が下がったときに予想以上の金額を請求されて困ったというのは、あるあるですね。あらかじめその費用を見込んでおくことをお勧めします。ただし、子育てにかかる費用は市町村によって補助や無料化などの動きもあるので、事前に調べておきましょう。


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とっぴー

東京と新潟で仕事や暮らしはどう変わりましたか?

代替テキスト
小黒さん

仕事は前職と同じ市場部門なので、運用するものの種類は変わりましたが、大枠は同じです。今は国内市場での取引を担当しているので、早朝や深夜の出勤はありません。
暮らしでは、お互いの実家に近くなり、子どもの顔を見せに行きやすくなりましたし、困ったときに助けてもらえるという安心感もあるので、帰ってきてよかったと思っています。新潟にいれば、車で少し走れば海も山もあるので、子どもと一緒に遠出を楽しみたいですね。


代替テキスト
とっぴー

最後にUターンを考えているみなさんにアドバイスをいただけますか?

代替テキスト
小黒さん

何を大切にしてUターンするのかを考えることがスタートだと思います。子育てにより良い環境を求めて地元に戻りたい、親の側で暮らしたい、自然の側で暮らしたい、地元に貢献していきたいなど、大切にすることを明確にします。そして、Uターンのメリットと我慢することを考えて検討していくといいでしょう。
我慢といいましたが、私たちはコロナ対策のさまざまな制限の中で暮らしてきたので、実はたくましいのではと思っています。実際、私は新潟でも特に不便は感じていません。ネットの進化も含めて世の中は変わりつつあります。不安に思いすぎずに、自分の時間をどうしたいかを考えて新しい暮らしを選んでみてはどうでしょう。